七夕菊乃vs.量子人間「捕まえたもん勝ち!2」加藤元浩・著

キック、いきなり内定取り消しの危機です。

あざやかに難事件を解決した“キック”こと七夕菊乃、24歳。

警察上層部は、キックが想像以上に

「できる」女であることを思い知らされました。

いつか確実に出世レースで追い抜かれる、そう危惧した彼らの何人かは、出る杭は打て、美しく咲く菊は引っこ抜け、とばかりに、彼女への嫌がらせに精を出します。

そんな向かい風の吹く中、ある殺人事件がアメリカで起こりました。

金持ちでエリートの大学生グループが

勉強のストレス発散という名目で、日頃からドラッグに手を染めていました。

麻薬の売買は、フィオナという

30歳のシングルマザーが請け負っていたのですが、彼女は、ギャングたちの縄張り争いに

巻きこまれ、殺されてしまいます。

それだけなら、さして珍しくもない事件かも知れません。

しかし、ここから奇妙なことが起こります。

「量子人間」と名乗る何者かが、フィオナの復讐と銘打ち、なぜか

彼女を殺したギャングではなく、金持ちお坊ちゃまグループの面々を

次々と殺害し始めたのです。

予告殺人のリストの中には

日本人学生の名前もありました。

そこでキックたちとつながってくるわけです。

さっそくアメリカへ飛ぶキックら日本代表3人。

しかし同行した2人の男たちは、初日から

酔いつぶれてしまい使い物にならず。

FBIの大男たちの中に埋もれながらの、キックの孤軍奮闘が始まります。

「量子」人間と名乗るだけあって、壁をすり抜けたかのように、密室での不可能殺人を演出してみせる犯人。

われらがキックは、持ち前の粘り強さと

明晰な頭脳で、敢然と立ち向かっていきます。

(以下、引用です)

紫崎課長の顔が引きつった。

「アリバイの裏取りをしない? 何のことだ」

讃岐警視総監は少し驚いた。

「こいつ半月ほど前に、監視カメラに写った犯人の顔を見間違えて、別人の逮捕状請求を指示したんです。ちゃんと裏取りしねえから危うく冤罪事件を起こすとこだ。オレが画像解析して事なきを得たんだが……」

「黙れ! あの件は適正に処理した。もはやなんの問題もない!」

大勢の上司の前で恥をかかされた紫崎課長が、血相を変える。隣にいた古見参事官も白髪が逆立ち、目に呪いの力が加わり始めた。 ヤバいって。もういい。アンコウ、黙れ! 「キック、お前一緒に来い。お前の方が使える」 「なっ!」 会議室中の偉い人の目が、不吉な音を立てて、こちらを向いた。 違う、私は関係ない!

「こいつを部下として使っていいなら、喜んで拝命します」

「君は捜査とデートを取り違えとるんじゃないのかね?」

紫崎課長は、どす黒い笑顔でイヤミを放つ。

「キックの方が、あんたより使えるし」

アンコウは平然と言い放つ。

「バカ…………じゃなくて、私は国内で仕事がありますので。深海警部はボストンで頑張ってきてください」

私は笑顔を引きつらせて答える。

「いいじゃないか。深海くんの望みを叶えてやろう。助手として七夕警部を連れて行くといい」

※トップのアイキャッチ画像は

加藤元浩先生のマンガ「C.M.B.森羅博物館の事件目録」第33巻 - Op.109:「見えない射手」より、まことに勝手ながら転載させていただきました。

キックの活躍は小説「捕まえたもん勝ち!」シリーズの他に、マンガ「C.M.B.森羅博物館の事件目録」第33巻、第36巻、「Q.E.D.iff -証明終了-」第5巻でも見ることができます。

https://www.23notebook.net/tsukamaetamongachi-motohiro_kato/ https://www.23notebook.net/tsukamaetamongachi-3-motohiro_kato/ https://www.23notebook.net/kikuno_tanabata-qed_iff-cmb-motohiro_kato/

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