山本鈴美香・著「エースをねらえ!」10巻「この一球!」

vol.10 「栄光への旅だちの巻」 width="200" height="293" border="0"> hspace="5" class="pict" /> 世界の高校生トッププレイヤーが集う大会。 日本代表の宝力冴子、英玲(はなぶされい)は

慣れない大観衆に臆し、実力を出し切ることなく、惨敗してしまいました。

残る頼みの綱は岡ひろみただ一人。

もし彼女もまったく通用しなかったら、今までの日本のテニス関係者の努力が

水泡に帰してしまいます。

その大切なゲームの前日まで、ひろみは

宗方コーチが見守る中、藤堂貴之が 心を鬼にして放つボディショットを

受け続け、コートに倒れ、泣き濡れていました。

動かなくなってしまったひろみ。

このまま体がバラバラになればいい そして あすの試合に でられなくなればいい

そんなひろみに宗方仁コーチの檄が飛びます。

おまえのテニスに対する愛情は そのていどのものか テニスに対する愛情よりも 観客に対する恐怖のほうが強いのか! たて! そこをどこだと思ってる! 観客がいようといまいと そこはコートだ!!

ふらふらと立ち上がってしまった自分を呪うひろみ。

しかし藤堂の打つ球すじが、今度の対戦相手のものとまったく同じことに

ようやく気づきます。

言葉のやりとりがなくても、藤堂の献身的な努力と深い愛情を理解し、しっかりと受けとめるひろみです。

瞳にふたたび生命力が宿り始めました。

岡ひろみ vs. ジョージィ・ビント戦が

いよいよ始まりました。

観客席にはジョージィの姉であり、ひろみのダブルス・パートナーでもある

ジャッキー・ビントの姿が見えます。

激しく動揺するジョージィ。

自分という妹がありながら、世界で無名のアマチュア選手、岡ひろみをパートナーに選んだ姉。

それを思うと、くやしくて

憎くてなりません。

容赦なくボディ・ショットを打つジョージィ。

カッカしながらも第1セットを奪取します。

しかしコートの上での気の強さでは

ひろみも引けを取りません。

負けじとボディショットのお返しをくらわせ、第2セットを奪い返します。

熱狂する日本の観衆。

日本のテニスが世界に十分通用することを

今、眼前で弱冠18歳の岡ひろみが証明しているのです。

応援にも熱が入るというものです。

勝負は最終セットへ。

大接戦の末、ひろみはジョージィを破り

大金星を挙げます。

悔し泣きにくれるジョージィ。

姉の叱咤が飛びます。

じゃあ どんどんひろみに はなされていくのね! 欠点をそのままのこしているあなたは 穴だらけのバケツよ! それで どう がむしゃらに 水をくんでももれていくだけ 努力している気でいて その実 なんにも しちゃいないのよ! だから 血のにじむ思いで その穴をうめてきた ひろみとは 勝負にならないのよ 欠点をのこして なにをしたってダメよ! なぜそれがわからないの!!

なんだかんだいっても血のつながった姉妹、妹を思えばこそ愛の鞭を振るう

優しいジャッキー姉さんなのでした。

ひろみの3回戦の相手は、優勝候補筆頭のマリア・ヤング18歳。

ひろみの心境やいかに? こおりつくほど おそろしい! なのにその恐怖のそばから なにかが わたしを かりたてる テニスへ! コートへ! あの大観衆のまっただ中へ!

精一杯のプレイを繰り広げるひろみ。

善戦及ばず負けはしたものの、その一途なプレイぶりに

観客から惜しみない拍手が送られます。

ヤングはその後も順調に勝ち進み、堂々の優勝。

大会は大盛況をもって幕を閉じました。

お別れパーティーで友情をはぐくむ若者たち。

いつかウィンブルドンで!

を合い言葉に、いつかの再会を固く誓い合いました。

……この後、物語は終焉に向けて

粛々と歩みを進めていきます。

宗方コーチの病状の急激な悪化。そして入院。

どの人生も終わるさ 夢のようだ だが、この人生が人の80年に劣るとは思えない

そしてあまりにも有名な最期の書きおき───、

岡、エースをねらえ!

何も知らないひろみは機中の人。

上へ、上へ。

何の屈託もなく、ひたすら上昇し続けていきます───。

(第1部 完) 「エースをねらえ!」01巻「試合なんてものはやってみなけりゃわからないんだぞ」 「エースをねらえ!」02巻「つらくなんかない!! つらくなんかない!!」 「エースをねらえ!」03巻「まだやれる まだじゅうぶんやれる」 「エースをねらえ!」04巻「うまいのと強いのとちがうでしょ」 「エースをねらえ!」05巻「きなさい 死にものぐるいで」 「エースをねらえ!」06巻「いずれ なにもかも思いでになる」 「エースをねらえ!」07巻「やりぬいてみせる! 命をかけても!!」 「エースをねらえ!」08巻「彼女におとる青春はすごすまい!」 「エースをねらえ!」09巻「もう何からも逃げない!」 「エースをねらえ!」10巻「この一球!」 「エースをねらえ!」11巻「絶対負けられない!!」 「エースをねらえ!」12巻「ひろみ 打ちなさい!!」 「エースをねらえ!」13巻「もう あともどりはできない」 「エースをねらえ!」14巻「やればできるんだ!」 「エースをねらえ!」15巻「わたし…がんばります!」 「エースをねらえ!」16巻「夢は死なないのだね 宗方君…!」 「エースをねらえ!」17巻「日本中が君の勝利を祈ってる がんばれ!!」 「エースをねらえ!」18巻(終)「……がんばってきます!」 マンガ「エースをねらえ!」………恐ろしい子!