最近観た映画5本『セント・エルモス・ファイアー』『シャイン』他

最近観た映画5本

『セント・エルモス・ファイアー』ST. ELMO'S FIRE

監督:ジョエル・シューマカー

出演:エミリオ・エステヴェス

ジョエル・シューマーカー監督の

コメンタリに、ドナルド・トランプ大統領の名前が出てきてちょっとビックリ。

コメンタリを録音したのはおそらく2000年代初頭だったと思います。

まさか後にトランプ氏が大統領選に立候補し、しかも当選するなんて思ってもいなかったでしょう。

ちなみにコメンタリの内容は

「80年代初めのアメリカは、ドナルド・トランプらが 若者のロール・モデルとなった時代だった」

というものでした。

そういえば『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で、1955年にタイム・スリップしたマイケル・J・フォックス演じるマーティが 「30年後のアメリカ大統領は?」とドク(クリストファー・ロイド)に問われ、「ドナルド・レーガン」と言いにくそうに答えてましたっけ。

監督は他にも面白いエピソードをたくさん語ってくれています。

映画そっちのけでいくつか引用させていただきます。

当時、デミ・ムーアは腰まで髪を伸ばし、ノーヘルでハーレーダビッドソンに乗っていたとか。

フラットライナーズ』(1991)のプロモーション来日時の日本の担当者は『セント・エルモス~』を50回観たそう。

本作のカメラマンはフランシス・フォード・コッポラ監督『地獄の黙示録』の森が焼かれるシーンを空撮したあの人。

そしてきわめつけ。

当初ロケに予定していたジョージタウン大学は、当時イエズス会が運営していました。

そのため、この映画が婚前交渉を描いているのを理由にロケの中止を言い渡してきたそうです。

しかし、かの大学は『エクソシスト』のロケを許可した過去があります。

監督はそこを突きました。

リンダ・ブレアがたしか死ぬほど卑猥な言葉を叫んでましたね?」

「たしかに。 でも最後は神が悪魔に勝ちます。そこが決め手です。」

『シャイン』SHINE

監督:スコット・ヒックス

出演:ジェフリー・ラッシュ

日本語字幕に打ちのめされました。

(以下、シーンの再現)

ピアノ・コンテストを受けて帰ってきた主人公の少年。

付き添いの父親は、苦虫をかみつぶしたような顔。

遠くからその顔を見た姉妹は、少年は優勝できなかったのだと判断します。

そこで姉妹が一言。

「Now we'll cop it.」

並の翻訳家だったら

「私たちまで叱られちゃう」

とか

「キゲンわるそう」

とするところでしょう。

それで何の文句も出ないと思います。

ところが出た字幕は

父さんの顔……

素晴らしい!

DVDに翻訳者さんの名前(はおろか声優さんの名前も)がクレジットされていないのがとても残念です。

『魔術師』THE MAGICIAN

監督:イングマール・ベルイマン

出演:マックス・フォン・シドー

タイトルが芯を食っていません。

元々のタイトルは『山師』だったそう。

ベルイマンが『魔術師』という映画を作ったら、そりゃあ誰だって、魔術が起きる映画だと思うでしょう。

ところが内容は『山師』。

“魔術”を期待していた観客は肩すかしを食らうことになります。

名作『ロッキー』のタイトルが『カメの飼育』だとしたらどうでしょう。

「なんでカメをほっぽり出して、殴り合いしてんだ」と観客は怒りだすかも知れません。

いつか自分の中でほとぼりが醒めたら「この映画のタイトルは『山師』!」と自己暗示をかけて、再トライしてみようと思います。

『不良少女モニカ』SUMMER WITH MONIKA

監督:イングマール・ベルイマン

出演:ハリエット・アンデルセン

不良少女と、平凡な少年が恋に落ちます。

やがて少女は妊娠しました。

少年は、だんだん父親としての自覚が芽ばえ堅実に生きようとするのですが、少女のほうは相変わらず……。

野性味溢れる少女というのは、存在が際立っていれば、それだけで映画として成立する素材だと思います。

ですがそこに頼らず、しっかりと現実に足の付いた物語になっていました。

『夏の遊び』SUMMER INTERLUDE

監督:イングマール・ベルイマン

出演:マイ・ブリット・ニルソン

美しいバレリーナ。

13年前の、幼いながらも情熱的な恋を、振り返ります。

二度と返ってこないギラギラと熱い夏の季節。

無防備で無敵で少し愚かだった頃。

あの溢れ出る生命力はもうありません。

だからこそ、思い出は遠くなるほどに美しさを増していきます。

女性を美しく撮ることにかけては天下一品のベルイマン。

生々しく、匂い立つような女性美が堪能できます。