『ロミオの青い空』第03話「さよなら・ぼくの村」Aパート感想。

あらすじ。。。 父ロベルト(大林隆介)が倒れた。 だが一家には医者にかかるお金などない。 ロミオ(折笠愛)は父のために、身売りする決意を固める──。

(以下、脚本集より引用)

ロミオ「ぼく、行くよ」 決心しているその顔。 ロミオ「そのお金でお医者さんを呼んで欲しいんだ」 ニヤリと笑うルイニ。 スカラもルイニの顔を見てニヤリ。 スカラ「そうか、決心したのか、ロミオ」 スカラ、軽いノリでロミオの肩をたたき、ルイニのそばに連れていきながら スカラ「なあに、煙突掃除なんて、たいした仕事じゃないさ。ちょっとキツいが冬の間だけだ。春になったら、戻ってこられるよ」 と言いながら、ルイニに目配せする。ロミオ、気付かず ロミオ「この村に──?」 スカラ「そうとも!」 ルイニ、ロミオの前に「契約書」を出す。 ルイニ「ここに署名しろ」 おずおずと紙を見るロミオ。 ルイニ「おまえを春まで買い取る証文さ」 わからない文字が並び、空白のらんがある。何か恐ろしい運命を決めるような気がして不安でいっぱいになるロミオ。 ロミオ「書けば……お医者さんを呼んでくれるんだね?」 スカラ「ばってんでいいんだよ」 スカラがペンを渡す。 ごくんと息をのむロミオ。 目をつぶる。 そして目をあけると、一気にぱっとばってん印でサインをした。 そのとたん── ルイニ、ギュッ!とその手首をつかんだ。 勝ち誇ったような鋭い眼光が、ロミオの瞳を射る。 ルイニ「これでおまえは俺のものだ」

(引用、終わり)

バツ印を書いたら契約成立、とはいくらなんでもひどすぎる。 バツ印なら誰が書いても同じだし、そもそも文字が読めないのだから、後で契約書をすり替えられたとしても分からない。 それでも家族のために、いよいよ決心するロミオである。

だが契約書にサインをしてしまったら最後、恐ろしい目に遭うような気がする……。 そんなロミオの背中を押すのが、酒場の店主、スカラ(西村知道)だ。

“死神”ルイニ(小村哲生)のアシスト役に回るスカラ。 まさか“勇者の木登り”の時、ロミオの祖母マリア(沼波輝枝)に足を踏んづけられた腹いせに、と言うわけでもなかろうが、 「春になると、戻ってこられる」 などと出任せを言う。 これは全くの大嘘。 それどころか、生きて帰れた人間などいないということが後に分かるのだが、ロミオはスカラの言葉にすがり、サインをしてしまう。 スカラという男はまったく……。

ルイニの方は、自分の極悪非道さを分かっているが、スカラの方は、何の気なしに放った自分の一言が、少年の運命を大きく変えたなどとは毛すじほども思っていないだろう。

かりに多少の罪悪感を感じているとしても、これまでに溜まったツケを払ってもらわねば、というのと、これでロミオの父親が医者に診てもらえるのだから、いうなれば俺は善行を施したのだと、差し引いてお釣りが来る程度に、自分には正当性があると感じているのだろう。

そんなスカラを、ルイニは内心、軽蔑しているのではないだろうか。 スカラが発する“俺たちゃヤクザな二人組”電波(?)を、ルイニがことごとく無視している感じが画面から伝わってくる。

ルイニは、今までもたくさんの少年を売り買いしてきたようだが、彼らの恐れや不安、あるいは肉親の悲しみ、痛みなどから、目をそらすのではなく、むしろ真正面から受けることを自分に課してきた、そんな気さえするのである。

第03話 さよなら・ぼくの村 (1995/01/29) 絵コンテ・演出: 楠葉宏三 作画監督: 井上鋭 佐藤好春 脚本: 島田満

ロミオ: 折笠愛 ロベルト: 大林隆介 ジェシカ: 藤井佳代子 マリア: 沼波輝枝 ルイニ: 小村哲生 カルロ: 嶋方淳子 ピエトロ: 南杏子 アニタ: 丹下桜 スカラ: 西村知道

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