『ロスト・イン・トランスレーション』『オール・ザ・キングスメン』など短評

最近観た映画7本

『オール・ザ・キングスメン』ロバート・ロッセン:監督

 写真は映画『オール・ザ・キングズメン』より、ブロデリック・クロフォードのアップです。

Broderick Crawford in All the King's Men

実直で、面白みのないスピーチしかできない主人公があるとき突然目覚め、州民の支持を集め始めます。

このときのスピーチが圧巻!

でも考えてみれば現実の社会でも、演説の原稿は、立候補者本人ではなく、スペシャリストが書いているわけです。

街頭演説は、わたしたちが投票するさいの重要な目安であるだけに悩ましいですね。

本作は第22回アカデミー賞(1949年公開の映画が対象)において3部門を受賞しました。

作品賞 (監督・脚本 = ロバート・ロッセン

主演男優賞 = ブロデリック・クロフォード

助演女優賞 = マーセデス・マッケンブリッジ

『旅の重さ』 高橋洋子:主演

 

TAKAHASHI Yôko in Journey Into Solitude

母親の男関係に割り切れぬ思いを抱いている娘(高橋洋子)が、お遍路参りをするというロードムービー。

刺激に満ちた旅ができるかどうかというのは、運不運ではなく、才能によるのではないかと思います。

私の友人に、見知らぬ人とすぐに仲良くなれるヤツがいて、彼を見ているとつくづくそう感じるのです。

生涯の移動距離と、人間性の豊かさは比例しているかも?

主題歌を担当したのは吉田拓郎

岸田今日子三國連太郎というビッグ・ネームがさりげなく脇を固めています。

『リジー・マグワイア・ムービー』ヒラリー・ダフ:主演

 写真は映画『リジー・マグワイア・ムービー』のポスターの一部です。ヒラリー・ダフのバスト・ショットです。

Hilary Duff in The Lizzie McGuire Movie

ディズニー映画は本当にハズレがないですね。

「ヒットの方程式」というタイトルの

極秘マニュアルでもあるのでしょうか。

脇役も、ただ主人公のヒラリー・ダフをたてるだけではなく、ちゃんと演じ甲斐のあるキャラクターに

なっているところがすごいです。

『恐怖のメロディ』クリント・イーストウッド:監督・主演

 

ジェシカ・ウォルターのストーカーっぷりが本当に怖いです。

この手の映画は、対象に対しての異常な執着ぶりによって狂気を表わすわけですが、本作のストーカーは対象ではない人に対して、まったく別の顔を見せます。

それがまた輪をかけて異常で、心底震えてしまいました。

ハリウッド・スターともなると、こういうおかしいファンにつきまとわれることも日常茶飯事なんでしょうね。ブサメンでよかった……。

クリント・イーストウッドの初監督作品とのことですが、多少一本調子かなとは思いました。

『陽気な渡り鳥』 美空ひばり:主演

 

AWASHIMA Chikage and TAKAHASHI Teiji in Yôkina wataridori

多作で知られる佐々木康監督が、生涯で撮った映画の本数は168本。

またテレビ界でも大活躍され、『銭形平次』『新撰組血風録』など、なんと500本弱の作品を遺しました。

現在見ることのできる本数が少ないのがとても残念です。

もっともっと評価されるべき人だと思います。

本作の見どころはもちろん、当時10代の美空ひばりの歌なのですが、むやみやたらと歌わせるのではなく、ここぞというところでビシッと決めています。

ですから見ているほうはずっと期待感でワクワクさせられ、飽きることがありません。

チャイナ・ドレス姿の淡島千景も美しいです。

『アメリカン・スウィートハート』ジュリア・ロバーツ:主演

 写真は映画『アメリカン・スウィートハート』より、ジョン・キューザック、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、ジュリア・ロバーツが顔を近づけて向かい合っている場面です。

John Cusack, Catherine Zeta-Jones and Julia Roberts in America's Sweethearts

監督とプロデューサーのあいだでフィルムを奪い合うというのは、ギャグにされているほどですから、よくあることなのでしょう。

そういうとき、わたしたち観客はおうおうにして監督のほうを支持しがちです。

インタビューとか、DVDのコメンタリとか公の場で、監督は自説の正当性を訴えることができますので。

ただプロデューサーからしたら、放っておくと3時間も4時間もダラダラと長い映画を作ろうとする監督を野放しにしておくわけにはいきません。

かくしてキツネとタヌキの化かし合いのような、駆け引きともだましあいともつかぬような闘いが繰り広げられるわけです。

暴露モノがきらいというわけではありませんが、愛すべきキャラが見当たらず、後味はあまりよくありませんでした。

『ロスト・イン・トランスレーション』ビル・マーレイ:主演

 写真は映画『ロスト・イン・トランスレーション』より、ビル・マーレイが超高層ホテルの窓際で、一人で食事をしている場面です。

Bill Murray in Lost in Translation

LOST というより REJECT という感じ。

「Rat Pack」とか「Lodger Moore」など、R と L の発音のつたなさを、主人公(ビル・マーレイ)が鋭く突っ込み、ジャパングリッシュを許してくれません。

でもこれは英語圏の人からしたら、

「英語をないがしろにされている」

「自分たちと本気で付き合う気がない」

というふうに映っているかも分かりません。

映画の一場面で、日本語が分からないようすの外国人に対して、えんえんと日本語を喋りつづける日本人が登場します。

こういう人、たしかにいるなあ、とは思いました。

しかもひとりは受付の人です。

ソフィア・コッポラ監督の実体験でしょうか。

あと、はっぴいえんどの「風をあつめて」って、劇中に使われているわけではなかったのですね。

それはそれとして、あらためて超絶名曲だなあと思いました。