『こんな夜更けにバナナかよ』|「生きるってことは迷惑をかけ合うこと」

いきなりあらすじ紹介です。

※ ネタバレしています!

鹿野靖明(大泉洋)は筋ジストロフィーにおかされていて、子供のころ「20歳まで生きられない」と医者に宣告された。

しかし30を越えた今も元気に暮らしている。

ただし24時間体制の看護が欠かせない。

彼は、病院で一生を終えるのをよしとせず、自宅で暮らしている。

ボランティアの手はいつも足りない。

ボランティアは、鹿野みずから公衆の面前に立ち、集めるのだ。

しかし遠慮容赦なくムチャブリする彼に

腹を立ててやめていく人も少なくない。

「そうですか、それでは

これからはしおらしくします」

・・・と、ならないところがこの人ならでは。

オレがわがままにふるまうのは『他人に迷惑をかけたくないから』と縮こまっている若者に、『生きるってのは迷惑を掛け合うってことなんだ』って伝えたいからだ。

彼の考え方に共感した人たちだけが

続けられることになる。そしてその結束は固い。

自分のわがままのせいで

ボランティアが定着しないことを

鹿野は充分に自覚している。

だが彼は決して生き方を変えようとしない。

ボランティアの一人、田中(三浦春馬)は

北海道大学の医学生。

患者の立場に立てる医者になりたい

というのがボランティアを始めた動機だ。

田中には美咲(高畑充希)という恋人がいるが、なかなかデートの時間がとれない。

美咲は田中に泣きつかれて

ボランティアに加わる。

しかし鹿野のあまりの傍若無人ぶりを目の当たりにし、 障がい者ってそんなにえらいの? 障がい者だったら、何言ってもいいわけ?

と、頭から湯気を出して帰ってしまう。

そんな美咲に鹿野はひとめ惚れ。

さっそく美咲にラブレターを出す。

代筆したのはなんと田中。

彼は美咲とつきあっていることを

言いそびれてしまったのだ。

美咲と鹿野、野外で初デート。

そこで鹿野は「大」のほうを漏らしてしまう。

落ち込む鹿野を見た美咲は、自分にも同じような経験があることを話し、鹿野をなぐさめる。

田中は、美咲を生涯のパートナーに、という心づもりで、両親に

紹介する予定でいた。

しかし、ここにきて美咲が衝撃の告白。

彼女は学歴を偽っていたのだ。

美咲の夢は先生になることだった。

しかし大学受験に失敗し、現在はフリーター。

高学歴の男子学生たちとの合コンに

参加するため、自分は教育大生だと

言い、そこで田中と知り合ったのだ。

そんな美咲を田中はどうしても許せない。

二人の恋は自然消滅のかたちに。

落ち込む美咲をはげます鹿野。

だったらウソをホントにすればいい

その言葉に勇気づけられた美咲は

ふたたび大学入学を目指すことにする。

鹿野と美咲はじょじょに打ち解け合っていく。

二人は性的な関係まで燃え上がりかけるが、おじゃま虫がやってきて、ボヤで消しとめられた。

それを知った田中は美咲を責める。

同情していれば、何だってやるのか

美咲のボランティアの足が遠のく。

鹿野は仮病を使って、美咲を呼び戻す。

美咲、ボランティアに復帰。

鹿野の病状は悪化し、医者から

人工呼吸器をつけなければならない

と宣告される。

つけてしまったら最後、しゃべれなくなってしまう。

かたくなに拒んでいた鹿野だが、最後には折れ、入院。そして手術。

鹿野は声を失ってしまった。

美咲はありとあらゆる文献をあさり、鹿野と同じ病状の患者が

しゃべれるようになった実例が

あるのを発見する。

文献をもとに、いろいろ試行錯誤した末、鹿野はふたたび喋れるようになる。

鹿野、強引に退院。

そのころ田中は、医者としてやっていく自信を失い、医学部をやめることを決意する。

彼は、ボランティアもやめてしまった。

鹿野は北海道大学まで説得に行く。

悩んでいることがあったら相談しろよ おれたち、友だちだろ?

その言葉におどろく田中。

鹿野が自分のことをそんなふうに

思ってくれていたとは

想像もしていなかったのだ。

しかし田中の意志は変わらなかった。

鹿野の退院記念パーティーがひらかれる。

満座の中で、鹿野は美咲にプロポーズする。

だが美咲の返事は

ごめんなさい

鹿野はいさぎよくあきらめる。

鹿野、またも仮病で田中を呼び寄せる。

田中があわてて駆けつけると、「鹿野ファミリー」と呼ばれる

ボランティアの主要メンバーが

宴会の用意をして待っていた。

怒りを通りこして、あきれる田中。

このサプライズには田中と美咲を

仲直りさせる狙いもあったようだ。

田中、「鹿野ファミリー」に復帰。

そしてもう一度医者を志す決意を固める。

鹿野、永眠──。

それから7年後。

田中と美咲は結婚。

田中は医者になった。

美咲は大学合格、晴れて先生となり、夢を実現させた。

(おわり)

感想。。。

一緒に行った友人は最初から最後まで号泣していました。

介護職の彼には、感じるところがたくさんあったそうです。

前情報をまったく仕入れていなかった私は、タイトルから「ムチャブリ」映画だろう

ということしか分かりませんでした。

ホテルのコンシェルジュが主人公か、あるいはお笑い芸人の先輩と後輩の話かと。

よい意味で意表を突かれました。

映画の中で、ブルーハーツ「キスしてほしい」が流れます。

野外でのコピー・バンドの演奏シーンと、みんなでカラオケする場面だったと思います。

久しぶりに聴きましたが、「生きているのがすばらしすぎる」

という歌詞は、鹿野さんの生き方そのものですね。

けっして弱音を吐かなかった鹿野さん。

ついに自分の生き方を貫き通しました。

素晴らしい人だと思います。

爽やかな感動をありがとうございます。

https://www.youtube.com/watch?v=hbQf-qh6678

監督:前田哲 原作:渡辺一史

脚本:橋本裕志

出演:大泉洋 三浦春馬 萩原聖人 渡辺真起子 宇野祥平 韓英恵 宮澤秀羽 矢野聖人 大友律 中田クルミ 古川琴音 爆弾ジョニー 竜雷太 綾戸智恵 佐藤浩市 原田美枝子