パディントンで英語を学ぼう。「三十二番地での災難」(02-05)

「パディントンのクリスマス More About Paddington」

三十二番地での災難 "TROUBLE AT NUMBER THIRTY-TWO"

朝、パディントンが起きると、外は別世界に変わっていました。

Paddington, pointing towards the garden. "Everything's gone white!" Judy threw back her head and laughed. "It's all right, Paddington - it's only snow. It happens every year." パディントンは庭を指さして言いました。「みんな、白くなっちゃった」 ジュディが頭をのけぞらせて笑いました。

「大丈夫よ、パディントン。それは雪って言うの。毎年こうなるのよ」

(日本語訳は私の意訳です)

☆ throw back one's head = 頭をのけぞらせる

(『英辞郎』 第七版より引用)

パディントンが興奮しまくっています。

いっぽう、一家の主人ブラウンさんはうんざり顔。 暖房の準備やら、水道の凍結防止やらに

追われる季節がまたやってきました。

bucket than something hit him on the back of the head, nearly knocking his hat off into the bargain. "Caught you!" yelled Jonathan with delight, "Come on, Paddington - make yourself some snowballs - then we can have a fight." パディントンがバケツに座ったとたん、何かが頭の後ろに当たり、おまけに帽子が脱げそうになりました。

「当たり!」ジョナサンが喜んでいます。「おいで、パディントン。雪玉をつくってぶつけっこしようぜ」

☆ no sooner ~ than = ~するや否や

☆ into the bargain = おまけに【同】in addition

ブラウン家の子供たち、ジョナサンとジュディの

宣戦布告に応じないわけにはいきません。

パディントンにとって初めての「雪合戦」が始まりました。

「no sooner ~ than」

学校で習った表現がそのまま出てくると、ちょっと嬉しいものがありますね。

この場合、動詞が主語を飛び越えて、no sooner he had ではなく no sooner had he

になる、というルールはすっかり忘れていました。

余談ですが、「no sooner ~ than」や

「not only ~ but also」は

心臓によくないです。

たとえば「not only」と文中で出てくると、いつ「but also」が出てくるのだろうと、そればかり気になってしまい、手のひらからは冷や汗が吹き出て、文の意味などそっちのけになってしまうのです。

で、結局出てこなかったりして。

さすがに「but」にはたいがいお目にかかれますが、「but also」と丁寧に書いてあるほうが

むしろレアではないかという気がします。

She looked out of the window. The sky had cleared at last and the garden, with all the trees bowed down under the weight of snow, looked just like a Christmas card. "It seems very still," she said. "Almost as if something was about to happen." ブラウン夫人は窓の外をながめました。空はようやく晴れて、木々の枝は雪の重みでお辞儀をしています。その光景はまるで一枚のクリスマスカードのようでした。 「静かすぎるわ」彼女は言いました。

「何かよくないことが起こらないといいんだけれど」

☆ bowed down = 頭を垂れる

☆ still = しんとした

☆ almost as if = 何だか~のように思えてならない

ブラウン夫人の悪い予感は当たってしまいます。

というのは、パディントンが危うく

命を落とすほどの大変な目にあってしまうのです。

Paddington's illness quickly spread around the neighbourhood and by lunch time there was a steady stream of callers asking after him. Mr Gruber was the first one on the scene. "I wondered what had happened to young Mr Brown when he didn't turn up for elevenses this morning," he said, looking very upset. "I kept his cocoa hot for over an hour." パディントンが病気になったというニュースはまたたく間に近所に広まり、彼の容態を心配する電話が午前中、ひっきりなしにかかってきました。 いちばんはじめに見舞いにやってきたのはグルーバーさんでした。 「小さいほうのブラウン氏がいつものお茶会の時間になっても姿を見せないので、何かあったのではと心配になりまして」グルーバーさんはとても動揺しているようでした。

「彼のココアを温めながら1時間以上待っていたんです」

☆ a steady stream of = 絶え間なく続く~

☆ ask after = (人)の様子[容態・安否]を尋ねる

☆ turn up = (会に) 出席する

グルーバーさんはふだん、パディントンのことを

敬意を込めて「ミスター・ブラウン」と呼びます。

となると、本来の「ミスター・ブラウン」

(=ブラウン家のご主人)を、グルーバーさんは

どのように呼ぶのでしょうか。

その場合には、パディントンのほうの呼び方を変えます。

ヤング・ミスター・ブラウン」とするのです。

なるほど。

こうすれば何の問題もないわけですね。

パディントンが病に伏せっていると聞いて、何とあのカリーさんまでが

果物と手作りの料理をたずさえて

お見舞いにやって来てくれました。

たくさんの人々の願いと、けんめいの看病のおかげで

パディントンはだんだんよくなっていきます。

この分だと、ベッドから飛び出して

ふたたび暴れてくれる日も近そうです。

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