英語の多読には「パディントン」がおすすめ。

本日、3月28日は「くまのパディントン」のさし絵画家として知られるペギー・フォートナムさんの命日です。

「パディントン」とは、イギリスの作家

マイケル・ボンドさんが生みだした愛すべきクマです。

最近も映画がシリーズ化されたりと、その人気はおとろえることを知りません。

今回はちょっと背伸びをして、原作本を紹介させていただきたいと思います。

訳は自分でつけてみましたが、かなりの意訳です。

なにとぞご了承のほどを。。。

「くまのパディントン」(シリーズ第1作)

第1話「どなたかこのクマの世話をしてください」

Chapter 1 PLEASE LOOK AFTER THIS BEAR

イギリスのパディントン駅で

行く当てもないままにたたずんでいた小さなクマ。

心優しいブラウン家の人々は

見過ごすことができず、このクマを自宅へ連れて行きます。

駅名にちなんで“パディントン”と

名付けられたこのクマにとって、ロンドンでの体験は何もかも初めて。

ロンドンの人たちのほうも、英語をしゃべるクマなど見たことがありません。

しかもこのクマはマーマレードが大好物。

ビンに手を突っ込んで食べるので

いつもべとついています。

これにはタクシーの運転手さんも

面食らってしまいました。

"Bears is extra," he said gruffly. "Sticky bears is twice as much again." ぶっきらぼうに言いました。 「ベトベトした熊はさらにその2倍」

ところで bears と複数形なのに動詞に is が使われていますね。

主語が複数形のときは are を使うこと、と中学校のとき習ったはずですが、これは一体どういう・・・?

高校の英語の先生をしているYさんにうかがったところ。。。

(The fare for) bears is ~ という解釈で良いと思います。

とのことでした。

第2話「お風呂とクマ」

Chapter 2 A BEAR IN HOT WATER

小さなパディントンは、バスタブの中で溺れそうになってしまいます。

ブラウン家の娘ジュディに危ないところを

助けてもらうのですが、ついでにお小言もちょうだいします。

the plug out, you silly?" said Judy. "Oh!" Paddington looked crestfallen. "I... I never thought of that." 「でも、なんだって栓を抜かなかったのよ、バカねえ」とジュディ。 「あ!」パディントンはしょんぼりしてしまいました。 「ぼく……ぼく、そんなこと思いつきもしなかった」

このあとしっかりと乾かしてもらいました。

映画『パディントン』では、モフモフ感がすごかったです。

第3話「パディントン、地下鉄に乗る」

Chapter 3 PADDINGTON GOES UNDERGROUND

食いしん坊で用心深いパディントンはいつも携帯食を欠かしません。

Paddington looked down. A large piece of bacon stuck out of the side of his case and was trailing on the pavement. "Shoo!" cried Mrs Brown as a grubby-looking dog came bounding across the road. パディントンは下を見ました。 彼のもっているスーツケースからはみ出たベーコンが、道路を引きずっています。 「シッ!」とブラウン夫人が叫び、道路の向こうからやって来る野良犬を追い払いました。

イギリスでは「シッシッ」じゃなくて、「Shoo」と言うんですね。

どこの国の犬も「サ行」が嫌いなんでしょうか。

第4話「買い物にお出かけ」

Chapter Four A SHOPPING EXPEDITION

パディントン、デパートで騒動を起こすの巻です。

"That looks the very thing," she said. The assistant gulped. "Yes, Modom. Certainly, Modom." He beckoned to Paddington. "Come this way, sir." 「あれなんか良さそうね」彼女(ブラウン夫人)は言いました。 店員は息を飲んでみせました。 「これはマダム。お目が高い」 彼はパディントンにおいでおいでをしました。 「さ、クマちゃんもこちらへ」

イギリス英語では「マダム」のことを modom と綴ることを、この本を読んで初めて知りました。

ちなみにアメリカ英語は madam です。

ところで私の使っているテキストエディタは、イギリス英語の綴りを「スペル・ミス」と認識して

波線をつけます。

キングズ・イングリッシュだというのに

なんという扱われ方でしょう。

まあもしかしたらエディタの設定いかんで

修正できるのかも知れませんが。

第5話「パディントンと‘巨匠’」

Chapter 5 PADDINGTON AND THE 'OLD MASTER'

パディントンはとても買い物上手です。

市場でも商品をよく吟味して、しっかりと値切ります。

にもかかわらず、市場の人たちのあいだでは

とても人気があるのです。

バードさんというのは

ブラウン家に長くいるお手伝いさんです。

ご主人もバードさんには頭が上がりません。

パディントンの締まり屋ぶりをからかって、彼を怒らせてしまったバードさん。

フォローするように言ったのが次の言葉。

"Whatever it is," replied Mrs Bird, "you're worth your weight in gold." 「まあ何にせよ」バードさんは言いました。 「あんたはじつに役に立つクマだよ」

一見するとこわもてで、辛辣なことも平気で言いますが、根はやさしい人。礼儀正しいパディントンのことが大好きです。

第6話「はじめての観劇」

Chapter 6 A VISIT TO THE THEATRE

パディントン、はじめて劇場に行くの巻です。

娘をいじめる父親に憤慨したパディントンは

楽屋に乗り込んでいきます。

いかにも正義感あふれるパディントンらしい行動です。

そこで主役の役者さんに言われるのが次の言葉。

"Don't you know green is a very unlucky colour in the theatre? Take it off at once." 「劇場では緑は不幸の色だと言うことを知らないのかね? すぐに帽子をぬぎたまえ」

そう言われて簡単には引き下がらないのが

パディントンなのですが。

いや~、それにしてもそんなジンクスが

あるとは知りませんでした。

よいジンクスとして

break a leg = 成功を祈るよ

というのを、アメリカのTVドラマ

『ビッグバン★セオリー』で

耳にした記憶があります。

このあと、主演の役者さんは、パディントンが自分の演技を

本当のことだと勘違いしていたことを知り、おおいに機嫌を直し、パディントンと仲良しになります。

そして第二幕では、さっきまでとは

見ちがえるような名演を見せてくれるのでした。

第7話「渚での冒険」

Chapter 7 ADVENTURE AT THE SEASIDE

パディントン、はじめて海水浴に行くの巻です。

「写真を撮ってあげましょう」と

怪しげな男が近づいてきました。

watch the birdie." Paddington looked around. There was no bird in sight as far as he could see. 「はい、鳥を見て」 そう言われてパディントンは周りを見回しました。 でも見わたすかぎり、鳥などどこにもいませんでした。

Watch the birdie. = 「鳥を見て」

これはむかし、写真屋さんが写真を撮るとき、集中力のない子供がレンズを見てくれるように、鳥のオモチャをかざしていたことの名残のようです。

第8話「消えるマジック」

Chapter 8 A DISAPPEARING TRICK

パディントンが手品に凝りはじめました。

周りは、また何かやらかすんじゃないかと心配したり、あきれたり。

そこでご主人のブラウンさんがひと言。

"Well," said Mr Brown, "so long as you don't try sawing anyone in half this evening, I don't mind." "I was only joking," he added hurriedly, as Paddington turned an inquiring gaze on him. Nevertheless, as soon as lunch was over, Mr Brown hurried down the garden and locked up his tools. 「まあ、いいんじゃないの」とブラウンさんは言いました。 「ノコギリで体を真っ二つにさえしなけりゃ、別にかまわないよ」 その言葉を聞いたパディントンの目が らんらんと輝きだすのを見たブラウンさんは あわてて「冗談だってば」と付け加えました。 それでも念のため、夕食を終えると急いで庭へ行き、工具箱にカギをかけました。

(第2巻に続く)

alt="イラストは「A Bear Called Paddington」より、パディントンがベッドの中で寝ているところです。" width="350" height="248" >

「パディントン」には何度読んでも笑わされてしまいます。

どんな失敗をしても、暖かく許してくれる

ブラウンさん一家があってこそですね。

シリーズはぜんぶで13冊出ているようです。

1冊につき、読み切りの短篇が6~8こくらい

収められているので、気楽に読めます。

もちろんむずしい文章は出てきません。

そしてペギー・フォートナムさんの

さし絵がところどころに差し挟まれていて、そのたびに胸が切なく、そして優しい気持ちになれるのです。

今は3冊目を読んでいる途中ですが、もし13冊すべて読破できたら、かなり

英語もできるようになっているんじゃないかなと

今からひそかに期待しています。

「笑える」シットコムはたくさんあるし、「簡単」な洋書もたくさんありますが、「笑えて、しかも簡単」なコンテンツは

案外ないように思います。

英語でも始めてみようかなという方には

ぜひいちど、「パディントン」を

手にされることをおすすめします。

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